<ロッテ2-1西武>◇14日◇QVCマリン

 ベンチのロッテ小林敦投手(25)は、高まる興奮を抑えきれなかった。9回2死。守護神薮田が後藤を追い込むと、自然と口元が緩んできた。最後は空振り三振でゲームセット。その瞬間、表情はくしゃくしゃになった。「ホッとしました」。プロ入り5試合目。3度目の先発でメモリアルの1勝をつかんだ。

 宮城県に拠点を置く「七十七銀行」出身の初のプロ野球選手。仙台市内の県庁支店で窓口勤務をしていたという異色の経歴の持ち主だ。入行してまず最初にしたことは数字の書き取り。「0から9まで、ドリルで練習しました」と笑う。

 銀行マン時代に培った地道な作業の積み重ねが、この日の投球に生きた。「前回までは球が高めに浮いてしまった。1球1球、低めに投げることを考えた」。2回、中村を低めに落ちるフォークで空振り三振。「点差は考えず、1人1人を抑えようと思った」と最後まで丁寧に低めに球を集め続けた。その積み重ねの100球が、7回2安打無失点の快投につながった。

 銀行時代の同僚とは今でも連絡を欠かさない。「飲み会の席とかでみんなが電話に出るから、30分ぐらいは終わらないんです」とうれしい悲鳴だ。銀行のヒーローからロッテのヒーローへ。復興に向かう仙台に、また1つ明るい話題だ。【鈴木良一】<小林敦アラカルト>

 ◆好きな食べ物

 やっぱり牛タン。「仙台の牛タンは本当においしいです」。

 ◆趣味

 初先発の直前に携帯をスマートフォンに買い替え、移動の合間などの気分転換に使っている。「野球に役立つアプリはまだ見つかっていません」。

 ◆同期

 東海大相模出身。横浜高出身のエース成瀬とは同学年で、高校3年夏の神奈川県大会ベスト4で対戦。当時は惜しくも敗れている。プロ入り後はよき友人として「内容は企業秘密ですが、いろいろとアドバイスをもらってます」。

 ◆背番号

 昨年までの守護神・小林宏(現阪神)の「41」を受け継いだ。新人合同自主トレでは「41といえばコバアツと言われるようにしたい」とアピール。