予測不能な大混戦を「予測不能打線」で制す!

 巨人原辰徳監督(53)が29日、今日30日からの横浜2連戦に備え、広島から福井へ移動した。広島空港で、前日28日広島戦でスタメンから外した坂本勇人内野手(22)の起用法に、5番や6番も「ある」と明言。ラミレスの4番も固定しない可能性も示唆。首位ヤクルトを中日、阪神とともに3・5ゲーム差で追う大混戦を、聖域なき臨機応変な采配で抜けだす意向を示した。

 広島空港ロビーのテレビでは、民主党代表選候補の鹿野農相が演説していた。国の借金はなかなか減らないが、巨人の借金は最大10あったのが、8月反攻で完済。貯金1で福井に乗り込む。鹿野氏の演説が終わると原監督は、チームをさらなる高みに引き上げるための方針を、報道陣に語り出した。

 まずは坂本。前日「優勝を狙うチームの1番打者としては、まったく機能していなかった」と、不振の続いた若武者を先発から外した。「先頭打者で凡打というのが多かった。(調子が)落ちるときはあるよ。あるけど長い」と1番として看過できない不振と判断。「今のメンバーでは、勇人以外ならば藤村が最善策」と、「1番藤村」のケースが増えると示唆。ただ、得点圏打率は12球団トップの4割6厘。勝負強さを生かすために、ポイントゲッターの「5番、6番」の可能性を問われると「それはあるでしょう」と明言した。

 ラミレスを5番起用した背景には「ちょっと風邪ぎみというのがあった」という。それでも「期待も我慢もするけど、ラミレスを4番に起用するとか、勇人を先発させるのが、チームの目的ではない」と、勝利のために、聖域なき用兵を断行することを明かした。

 竜、虎、巨。貯金1で3チームが並び、ヤクルトを追う。今後の展開について「だれも予測不能だな!」と目を見開いた。首位に3・5差という現状に「追う立場からすると悪くない。(他球団の勝敗は)気にならない。ただ登るだけだから」と崖をはい上がるポーズで言った。「ムチを入れる?

 まだ!

 余力を残した形で戦っていくのが最善策」と主力を休ませながらオーダーを組むとも話す。坂本が5番や6番なら、オプションはさらに増える。予測不能な打線が、予測不能なドラマを生む。【金子航】