<中日3-6阪神>◇30日◇ナゴヤドーム

 ワイルドに粘投!

 阪神岩田稔投手(27)は微修正に成功し、7勝目(10敗)をあげた。6回で4四死球と苦しみながら、2安打1失点と踏ん張った。これで中日戦通算成績は8勝2敗。今季は3試合22イニングを投げ、わずか7安打、2点しか許していない。竜キラーは健在だった。

 岩田

 野手に申し訳ない点の取られ方だったのに、援護してくれて感謝です。

 バタついた。1点リードの2回に突然崩れた。先頭の4番ブランコに死球、5番和田には四球。無死一、二塁から6番森野の投前犠打で三塁封殺を狙ったが、これが痛恨の野選に。無死満塁から7番谷繁、8番井端を凡退させ、耐えたかと思われたが…。2死満塁。9番の投手ネルソンにストレートの押し出し四球。まさかのミスで同点とされた。

 岩田

 4回、5回ぐらいですかね。久保コーチにアドバイスをもらって、投げる感覚が良くなった。ちょっと(投げるタイミングが)早いと言われて。タメがなかったので修正した。

 3回以降の4イニングは安定感を取り戻した。2安打1四球で追加点を与えず、流れを呼び込んだ。

 前回23日巨人戦で黒星を喫してから、ひげを伸ばし始めた。「勝つまでは剃らないと決めて」。負けが続けば伸びっぱなしで見苦しくなる可能性もあったが、ひげに込めた並々ならぬ思いは野球の神様に届いた。

 先日、「四球は投手のエラー」と、四球撲滅を誓ったばかり。もちろん、納得できるマウンドではなかった。ただ、もう無援に泣き続けた負の連鎖とはおさらば。今回は打線に助けられた。次の使命は、恩返しの快投だ。【佐井陽介】