聖地デビューが試練のセンター試験!

 阪神ドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)が、甲子園デビューする10日のオープン戦・日本ハム戦で中堅争いテストに挑む。結果次第では11日以降、2軍の試合で経験を積むことになるかもしれない正念場。故障から復帰する柴田、俊介らと争う開幕スタメンへ、追い込みをかける。

 ルーキー伊藤隼が、10日の日本ハム戦で聖地デビューを飾る。中京大中京時代は甲子園に縁がなく、慶大2年の09年にオール早慶戦で初めて甲子園の土を踏んだが、体調不良で欠場。心躍る聖地デビューでも、やるべきことをやるだけだ。伊藤隼は浜風の確認など、年間59試合を行う本拠地の特長を頭にたたき込むつもりだ。

 伊藤隼

 全部初めてなんでやらないといけないと思う。チェックというか、当然やること。やる試合が一番多いので、慣れというか適応していかないといけないかなと思う。

 激しさを増す中堅争いを勝ち抜くために、甲子園デビュー戦が試練のテストとなる。今日9日はウエスタンの教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)にフル出場する予定。11日以降について片岡打撃コーチは「その先は1試合1試合の結果とか、先発投手とかによって変わると思う」と話した。10日の結果次第で1、2軍どちらの試合に出場するか判断されることになる。

 1、2軍の振り分け期限について同コーチは「東京遠征の最後から帰ってきて、高松、大阪が最後ぐらいになる。内容もあるけど、やっぱり結果を出さないとあかんよね」と説明。20日広島戦(高松)前後がボーダーラインになりそうだ。15日からの関東遠征までに中堅争いをリードしなければ、開幕スタメンは厳しくなる。10日からの甲子園での4試合(11日巨人戦、13、14日ヤクルト戦)が伊藤隼にとって一番の正念場となりそうだ。

 伊藤隼

 1日1日ベストを尽くすというか、結果はほしいけど、結果にこだわっても仕方ない。課題をこなしてレベルアップを図りたい。

 キャンプ以降の実戦成績は12試合で34打数7安打、打率2割6厘。シュアな打撃が売りのドラ1ルーキーだが、まだ本領発揮とはいかない。前日7日の試合後には、関本とともにソフトバンク小久保と会食。「全部ためになりました」と、タカの主砲のエキスを吸収した。2000安打まであと38本とするプロ19年目の一語一句が、勝負の世界を生き抜く支えになるはず。新たな力を得て、追い込みをかけていく。甲子園デビューから開幕スタメンへ、ハヤブサが力強く羽ばたく。【岡本亜貴子】