和田阪神が逆襲の後半戦へ決死の再出発だ。21日、甲子園で行われた全体練習開始前、和田豊監督(49)が選手、スタッフ全員の前で6分間の演説。開幕直後の原点に戻ろうと熱く訴え、あくまで優勝を目指す姿勢を示した。その後、全員で強化トレーニングに取り組むなど一丸ムードで再スタートを切った。

 再出発への決意が感じられた。甲子園屋内練習場での練習開始前、和田監督が選手、スタッフ全員を集めた。3日ぶりに集合したチームに緊張感が走った。指揮官は1人、1人の顔を見ながら約6分間、熱弁を振るった。

 チーム関係者によれば、指揮官は「4月、5月の野球をもう1度、やろう。オレはあきらめていない。きょうから始まりのつもりでやろう」と、開幕直後の1点を大事にする野球へ原点回帰しようと訴えたという。また、首位巨人に15ゲーム差をつけられながらも、優勝をあきらめない「ネバーギブアップ宣言」も飛び出したという。

 和田監督が訴えた原点回帰は早速、形として表れた。演説直後に始まったウオーミングアップはこれまでにないハードなもの。縄跳び、スクワット、メディシンボールを用いた筋力トレなど、6種類の強化トレーニングを1分間のインターバルでこなした。金本、桧山らベテラン組から、マートン、ブラゼルの助っ人組、投手と野手の区別もなく全員が顔をしかめながら2セット行った。

 和田監督は「トレーニングだけじゃなく、全ての面でもう1回原点にかえろうということ」と説明した。15ゲーム差、5位からの逆襲へ。全員が汗にまみれた。【鈴木忠平】