<DeNA4-3阪神>◇30日◇横浜

 悲しい光景だった。阪神は最下位DeNA相手にまたも競り負けて3連戦負け越し。今季通算でもついに9勝10敗1分けと負け越し。怒りのやり場がない虎党がスタンドからメガホンを投げ入れた。グラウンドに散らばったその“怒りの残骸”を藤川球児投手(32)が拾っていた。

 相手のミスにつけ込みきれず、逆に自軍のミスにつけ込まれた。2点を追う6回、相手の失策でもらった無死一、二塁のチャンス。鳥谷のタイムリーで1点を返し、なおも満塁としたが、坂が倒れて追いつくことができなかった。

 和田監督

 くれたチャンス。6回だよね。最低でも追いついておかないと。

 7回にブラゼルのソロで何とか同点としたが、直後の8回には上本が1死一、二塁からの二ゴロで併殺を取り切れず、福原が下園に決勝打を浴びた。

 和田監督

 最後もしっかり守っておかないと。ゲッツー崩れは点につながることが多いから。

 攻守にわたって、スキが出た試合に指揮官も厳しい表情だった。これで甲子園を空ける、いわゆる「長期ロード」は7勝14敗3分けで終わった。「終わったことは戻ってこない。明日から甲子園に帰る。しっかり、いくしかない」。和田監督は険しい表情のまま、顔を上げた。【鈴木忠平】

 ▼チーム通算4500敗=阪神

 30日のDeNA21回戦(横浜)に敗れ、36年からの通算成績が4815勝4500敗294分け。初黒星は36年5月1日阪急戦(甲子園)で、4500敗を記録したのはDeNAに次いで2チーム目。