ミスタータイガースのノウハウが、若トラに電撃注入された。阪神OBの掛布雅之氏(57)が16日、所用で訪れた鳴尾浜球場で、残留組の若手選手を飛び入りで指導した。

 平田2軍監督の要請を受け、育成選手の穴田、藤井宏、阪口が打撃練習を終えると、青空の下で約10分、即興の“掛布教室”が開かれた。教材は、巨人阿部だ。その打撃フォームを例に膝、腰、肩をすべて水平に回す「体をレベルに使う」ことを教えたという。

 投球に対して打ちに行く際、体が傾いてしまいがちになる点も、レベルに振り、左右同じように振れるバランスのいい体の使い方をたたき込むことで解消可能。藤井宏は「阿部さんもレベルスイングができるようにしているということでした。やってみるとなかなか出来ませんが、勉強になりました。練習で取り組んでみようと思います」と目を輝かせた。さらに、個々の打撃練習を見た印象も伝えた。穴田は「右脇を締めてバットを出すように」と助言されたという。

 31番の後継者・林威助、新井良は“教室”の最後で参加し詳細は聞けなかったことを残念がった。新井良は「掛布さんは理論派とうかがっているので、次に機会があればぜひ聞きたいです」と話した。

 掛布氏は「(2軍首脳陣に)僕が山内さん(一弘)たちに教わったことがこうだったよと伝えただけです。それが合うかどうか分からないですけど」と話して球場を後にしたが、平田2軍監督は「掛布さんが言うと(選手の反応も)また違うからね」と“掛布効果”にニンマリだった。【高垣誠】