<オープン戦:ソフトバンク1-0ロッテ>◇9日◇ヤフオクドーム

 スケールアップして、開幕ローテーションへ大きく前進した。ソフトバンクのドラフト1位東浜巨投手(22=亜大)がロッテ戦に先発し、4回を1安打無失点。2回4失点とめった打ちされた前回1日のWBCキューバ代表との強化試合から中7日で修正した。プロ入り後最速の142キロをマーク。即戦力ルーキーが本領を発揮してきた。

 東浜の表情に自信が戻ってきた。同一リーグのロッテを相手に堂々の4回無失点。「要所をしっかり投げることができた。球速より打者にタイミングを取らせない球を投げられた」。3回1死二塁。先制ピンチでプレートを外し、じらしたかと思えば即クイックで投げ清田を遊ゴロに。136キロの直球でも差し込んでいた。2死三塁で今江を4球で二直に料理した。

 ベンチの秋山監督と高山投手コーチが「セットの方がバランスも良く、打者が打ちづらそうな間があった」と判断。4回から指令通り全球セットポジションで投げ、制球力を増した。

 前日8日は深夜まで日本代表が台湾に逆転勝ちしたWBCの試合をテレビで見ていた。翌日デーゲームの先発。睡眠時間を確保しなければならないが、自分の部屋でゲームセットまで見届けた。9回2死から同点打の井端は亜大の先輩。「会ったことはないですが大学でいつも話に出てきた先輩。すごいです。いい刺激になりました」と夜更かしで勇気をもらった。

 キューバに打ち込まれてから中7日。自分で考え調整してきた。初めて訪れる雁の巣球場の勝手がわからず苦労した。瞬発系のダッシュを増やし、5日には160球の投げ込み。この日の最速は142キロに達した。「球速はこれからどんどん出てくる。フォームも固まってきている」とさらに速くなりそうだ。

 次回登板予定は17日ヤクルト戦。大学時代35勝を挙げた神宮に、プロの東浜として凱旋(がいせん)する。【石橋隆雄】