阪神が、狩野恵輔外野手(30)の支配下選手登録を検討していることが11日、分かった。狩野は10年に腰を痛め、椎間板ヘルニアの手術を受けた影響で、昨年11月に育成選手契約となっていた。

 今季は腰の状態も良く、ウエスタン・リーグ23試合に出場して打率2割8厘、2本塁打、5打点。この日もソフトバンク戦(雁の巣)に3番中堅としてスタメン出場し、3打数1安打。球団幹部によれば、現在、行われているウエスタン・リーグの連戦を無事にクリアすれば、今月末に支配下選手として契約することが濃厚だという。

 狩野は00年のドラフト3位で前橋工から捕手として入団した。パンチ力のある打撃を生かして、外野手でも活躍した。09年には正捕手矢野の故障もあって、初めての開幕スタメンマスクをかぶり、自己最多の127試合に出場した。だが、10年10月の2軍教育リーグで腰を痛め、11月に椎間板ヘルニア除去手術を受けた。11年には復帰したが、ヘルニアが再発し、12年も成績が振るわず。同年オフに1軍戦に出場できない育成選手契約となっていた。

 球団は育成契約した際、腰が治れば、支配下選手に戻す方針を固めており、今季の2軍戦での活躍、腰の状態などを考慮した上で、7月末までに大きな故障さえなければ、晴れて支配下復帰という運びになる可能性が高い。現在、巨人との首位を争う和田阪神は支配下選手が66人と70人の上限まで余裕がある。トレードや外国人など補強期限は7月いっぱいまで。まさに補強終了間際に“最後の補強”として強打の狩野が支配下に帰ってくれば優勝へ向けての貴重な戦力となりそうだ。

 ◆狩野恵輔(かのう・けいすけ)1982年(昭57)12月17日、群馬県生まれ。前橋工から捕手として00年ドラフト3位で阪神入団。09年は主に捕手として127試合に出場。11年から外野手登録。今季から育成契約に。1軍通算成績は247試合に出場し打率2割5分7厘、11本塁打、56打点。181センチ、81キロ。右投げ右打ち。