<オリックス3-11ソフトバンク>◇1日◇京セラドーム大阪

 マッチにメモリアル弾が飛び出した。ソフトバンクが7月以降では初の2桁得点で大勝した。8回には松田宣浩内野手(30)がダメ押しとなる12号3ラン。2年ぶり2度目の3戦連発で、プロ通算100号に到達した。チームは2カードぶりの勝ち越しで7月5日以来の貯金2。7月を9勝12敗と5年ぶりに負け越したが、4番を中心に8月反攻が始まる。

 手ごたえ十分だった。松田が振り抜いた打球は、右翼ポール際へ。前夜と同じような放物線は再びスタンドまで届いた。7年前にプロ1号を放った思い出の球場で、節目の1発を刻んだ。「感覚的には昨日と似てた。打った瞬間に入ると思った。プロで100本打てるなんて思ってなかった。150、200と区切りを打っていきたい」。

 亜大から希望枠で入団し、初本塁打は1年目の4月。3年目にレギュラーを獲得したが、その後は故障が続いた。08年に左手首、09年に右手首と右手甲、昨年も右手甲を骨折。「けがをしていなかったら(100号を)もう少し早く打てた」。過去に2度サヨナラ弾も打っているが、印象深い1本は特にないという。

 「1本1本が自分にとって大きいからね。(全試合フルイニング出場した)11年に25本打ったのが大きい。あれでやっとプロでやっていけると思えた」。初アーチも初安打も、記念のボールは保管してこなかった。「キャッチボールにでも使われたんじゃないですか。今回は家に置くか、実家に渡すか考えます」。通過点というような顔だった。

 6月は月間打率4割1分5厘と打ちまくり、交流戦優勝にも貢献。ところが7月は2割1分4厘と不振に陥った。浮上のきっかけは同28日の日本ハム戦後。ヤフオクドーム近くの海岸を内川と並んで走りながら、アドバイスをもらった。それ以来、3戦連発。右打ちの名人の内川をして「すぐに修正できるのが彼のすごさ。日本人で2本続けて右に打てる打者はそういない」と言わしめた。打点王争いでも、トップのロッテ井口に5差と迫った。

 6月の月間MVP候補だったが、受賞したのはチームメートの長谷川。7月も狙うかと聞かれ松田は言った。「いや僕は8月に狙います。そのころにはみんな疲れている。その時に打てるようにしたい」。チームとともに苦しんだ7月は終わった。8月は、4番のバットが復活する時だ。【大池和幸】

 ▼通算100本塁打=松田(ソフトバンク)

 1日のオリックス14回戦(京セラドーム)の8回、近藤から今季12号を放って達成。プロ野球269人目。初本塁打は06年4月22日のオリックス5回戦(京セラドーム)で松村から。