<ロッテ4-3西武>◇9日◇QVCマリン

 ロッテ古谷拓哉投手(32)が志願の連投で西武戦2連勝に導き、今日10日からの楽天との本拠地3連戦に弾みをつけた。前日8日に2回4失点と打ち込まれたが、雨天ノーゲームに救われた。左肩の張りによる登録抹消から復帰したばかりだが、7回2失点で自身6連勝となる7勝目。首位楽天との差を6ゲーム差に詰めた。

 秘めた闘志を白球に込めた。古谷は予定の5回を過ぎてもマウンドに立っていた。6回、西武の4番浅村までを3者凡退に打ち取ると、7回も3人切り。最後は外角低めにスライダーを沈め、熊代から空振り三振を奪った。「昨日があまりにふがいなかったので、絶対結果を出そうと。相手投手より先に降りたくなかった」と2失点投球を振り返った。

 志願の連投だった。雨天ノーゲームとなった前夜、先発で2回を投げた。3連打や自らの悪送球で4失点。納得いかなかった。左肩の張りを訴えた8月24日以来の復帰登板で、球数も50に達していたことから、首脳陣は中継ぎ要員の藤岡の先発を決めていた。だが試合後、「僕、いけます」とスライド登板を直訴。川崎ブルペンコーチは「熱い男」と熱意を認めた。

 3回に本塁打こそ浴びたが、被安打はわずか3。無四球の正確な制球で、見違えるような98球だった。打ち込まれたとは言え、前日のマウンドで久々の実戦感覚がよみがえった。これで7月17日のソフトバンク戦から、自身負けなしの6連勝だ。「本当にもう、ごっつぁん、みたいな感じです。ありがたい」と恵みの雨に感謝した。

 チームは今日10日から、本拠地で首位楽天と対戦する。直接対決の3連戦はこれが最後。苦手の西武に勝ち越して臨めるのは大きい。古谷は「いや、自分のことで精いっぱいで、そこまで考えてなかったんですけど…」ととぼけたが、チームを救ったことに違いはない。【鎌田良美】