<ロッテ4-5ソフトバンク>◇23日◇QVCマリン

 5カ月ぶりに先発したソフトバンク東浜巨投手(23)が待望のプロ初勝利を飾った。

 試合後も報道陣の後ろに隠れて東浜のテレビインタビューを見守る姿があった。優しい顔だった。同じ亜大出身の松田宣浩内野手(30)がバットで後輩のプロ初勝利を後押しした。「シーズンの最初からやりたかったけれど、ようやくできました」。亜大コンビでの活躍は春先からの念願だった。

 両軍で3本塁打を打ち合い3-3で迎えた7回、打線がつないで2死満塁とした。3番手中郷が2球続けたフォークに大振りせず、右前へ。打った瞬間に「しゃー」と叫んだ。これが決勝の2点適時打。一塁ベース上で両手をパンとたたいた。「あそこで打って(東浜に)勝ちがつくと思っていなかったのでビックリ玉手箱」。唐川には3打席抑えられたが、最終打席で意地をみせた。11年10月15日の対戦から6連敗を喫していた唐川にも土をつけた。

 ドラフト1位入団の後輩は注目されながら結果を残せず、母校関係者の心配する声も届いていただけに、ひと安心。「摂津さんも言ってたけれど1つ(勝ちが)つくと、2つ、3つとある」。最後まで自分の殊勲打より、東浜の勝利を喜んでいた。【押谷謙爾】