<パCSファイナルステージ:楽天2-0ロッテ>◇第1戦◇17日◇Kスタ宮城

 ロッテは絶好の先制機をつぶしたことが、最後まで響いた。2回までに楽天田中に4安打を浴びせ、チャンスをつくった。ところが1回2死一、二塁では、バットを一握り短く持って速球に対応しようとした角中が内角150キロで投ゴロ。2回1死一、二塁も里崎がバットを粉砕され、遊ゴロ併殺に倒れた。伊東勤監督(51)は「今日はしょうがない。向こうがいいのは分かってたけど、それ以上に良かった」と脱帽した。

 勝負は序盤と分かっていた。4安打のうち3安打がファーストストライクを捉えたもの。追い込まれてからの決め球スプリットでの三振を避けるため、徹底した積極打法を心がけた。だが得点圏に走者を置くと力負け。これまでと同じやられ方に「いつもいいとこまではいくんだけどなあ」と指揮官もお手上げだった。

 シーズン中との違いにも戸惑った。変化球が多い上、スライダーが普段の縦ではなく横回転。4番今江に対して直球は1打席目の初球だけで、井口資仁内野手(38)は13球すべて変化球で4打席凡打に打ち取られた。「さすがですね、真っすぐが良くない時の方が厄介。気持ち良くアメリカに行ってくれたらいいんじゃないですか」と、メジャー経験者もメジャー級と認めるすごさだった。

 いきなりの2敗スタート。伊東監督は「切り替えていきます。明日明日!」と明るく球場を去った。【鎌田良美】