<オープン戦:オリックス0-3楽天>◇13日◇京セラドーム大阪

 オリックスが、楽天のドラフト1位松井裕樹投手に“完敗”した。開幕2カード目で対戦する可能性もある18歳に5回わずか2安打、無得点。引き立て役になってしまった。

 1回、先頭ヘルマンの二塁打でいきなり無死二塁のチャンス。だが、ここから打者14人が連続で打ち取られる。5回2死から満塁の好機をつくったが切り抜けられた。森脇浩司監督(53)も「投げっぷりがいいし、腕の振りも素晴らしい。メンタルを含め、走者を出してからの粘りも持っている」と脱帽するしかなかった。

 だが、ただ抑えられたわけではない。この日は打者に直球狙いを指示するなど松井裕のデータ収集に努めた。「たくさん(65球)投げてくれたので(攻略の)糸口を見いだして、今度対戦したらしっかり打ちたい」と指揮官は“収穫”を強調。今後、各打者やスコアラーの情報を持ち寄り、VTRなどで松井裕対策を練る。2打席凡退のT-岡田外野手(26)も「スライダーはキレがいいしよく曲がる。でも、どうにもならない投手とは思わない」と、攻略に自信も見せる。

 チームはオープン戦6連敗。本番でプロの厳しさを教えるための“エサまき”だったと言えるように、この敗戦を生かす。【高垣誠】