<DeNA5-4阪神>◇25日◇横浜

 阪神は優勝に続いて、2位まで消えてしまうのか。初回の4点先制で喜んだのもつかの間。じりじりと迫られ、まさかの逆転負け。ああ、2位広島とは2・5ゲーム差…。明日27日にも2位消滅の崖っぷちに追い込まれた。今日26日は2位を争う広島との直接対決。残り5試合全勝で道を切り開いてくれ!

 4点差をひっくり返されての逆転負け。試合終了の瞬間、和田豊監督(52)はしばらくその場を動かず、グラウンドを見つめていた。神宮で大勝した広島とは再び2・5ゲーム差。今日甲子園での直接対決に臨むが、早ければ、明日27日にも本拠地でのCS開催可能な2位が消滅する状況まで追い込まれた。

 和田監督

 1つでも上に?

 もちろん、もちろん。全部勝つということでいかないといけない。明日がより大事になってくる。

 指揮官はこれまで通り、一戦必勝の覚悟を示した。だが、戦えば戦うほど状況は厳しくなる。球団は契約最終年の指揮官の去就について2位を1つの目安としている。もう後がない状況まで追い込まれた。

 試合は開始直前の豪雨で30分遅れで始まった。先発投手にとって難しい状況を逆手に取り、初回、マートン、福留のタイムリーで一挙に4点を奪った。だが、条件は自軍も同じだった。最多勝のタイトルがかかったメッセンジャーが乱れた。指揮官は立ち直りを期待しつつ、ベンチで見極めていたという。

 和田監督

 よくなかったね。バラバラやった。どちらかというと、あの状態から2回以降、どう状態が上がってくるのか見ていた。先頭打者がね…。

 5回まで120球を費やして3失点。ここまでチームを引っ張ってきたエースはかろうじて1点差でリリーフにバトンを託すのがやっとだった。打線の援護がない中、重い、重い1点を背負い込んだリリーフ陣も踏ん張れない。6回に3番手松田が四球と暴投で傷口を広げると柳田に同点打を浴びた。そして8回、セットアッパー福原忍投手(37)がフルカウントから真ん中付近に入った速球を筒香に右翼席に運ばれた。

 福原

 四球も、長打もいけないところ。結果的に打たれているので。打たれたら一緒…。

 今季57試合目の登板となったベテラン右腕は言葉を絞り出し、責任を背負い込んだ。順調に滑り出したかに見えて、最後に失速する。今季を象徴するような敗戦だった。今日26日から阪神が連敗し、広島が連勝すれば、3位以下が確定する。球団は有事に備えて、後任監督選定作業に着手している。優勝を目指した和田阪神にとって、あまりにも寂しい結末が近づいてきた。【鈴木忠平】

 ▼阪神は最短で明日27日に今季の2位も消滅する。阪神が今日26日から●●のとき、28日以降の残り3試合に全勝しても、最終成績は74勝69敗1分けで勝率5割1分7厘。広島が○○の後で残り5試合に全敗したときの、74勝68敗2分け、5割2分1厘を下回るため。