二番福にあやかる!

 阪神藤浪晋太郎投手(20)が10日、大阪市内で藤井彰人捕手(38)と「ファイテントークショー」に参加し、思わずえびす顔になる吉兆を明かした。大阪桐蔭で春夏全国制覇を達成した同学年の関大・小池裕也内野手(20)がこの日の早朝、西宮神社で行われた「開門神事福男選び」に参加し、見事二番福をゲット。商売繁盛、縁起のいい年始の話題を喜んだ。

 藤浪は「思い出し笑い」をこらえながら、前日深夜の電話を振り返った。

 「夜中の1時半、寝ようと思っていたら電話がかかってきたんです。(深夜なので)ふざけんなって言って、すぐ切ったんです(笑い)。そしたら2位になったみたいで…」

 電話の主は関大・小池裕也内野手だった。春夏全国制覇を達成した大阪桐蔭の同学年。12年センバツ決勝では4番として先制弾を放った親友だ。年始も母校で顔を合わせた。そんな仲間からの深夜電話は吉報の知らせだった。

 小池さんは西宮神社の「開門神事福男選び」に参加。スタート地点を決める重要なくじ引きで「1番を取ったで!」という連絡だった。最前列のスタートラインから疾走し、参加約5000人の中、2位で「二番福」をゲット。藤浪は朝一番で友人から「小池2番福」のメールを受け、意外な形でスポットライトを浴びた友人を冗談交じりに祝福した。

 「そこは1位を取っとけよ、と思いましたけど。縁起がいいですね。あやかりたいと思います」

 藤浪自身は年始から大阪桐蔭グラウンドでスローイングを始め、この日の午前中も鳴尾浜でキャッチボールなどに汗を流した。数日後から東京に拠点を移し、広島前田らとの合同自主トレに励む予定。例年は1月中旬にブルペン入りするが、今年は東京の自主トレ施設にブルペンがなく、1月下旬の沖縄移動後に初ブルペンを踏む流れだ。

 「1月は肩を作る作業だけ。肩作りだけならキャッチボールでも問題ないと思います。キャンプ初日に(ブルペンに)入れと言われたら、入れるようにしておきたいとは思っています」

 昨年11月の侍ジャパンまで実戦投球を続けたこともあり、スロースタートは想定済み。吉兆を喜ぶことはあっても、決して浮かれない。どっしり腰をすえて、冷静に3年目の準備を進める。【佐井陽介】

 ◆藤浪と小池

 12年センバツ決勝で、打のヒーローになったのが小池だった。本来の4番だった田端良基内野手(3年)が1回戦・花巻東(岩手)戦で右手首に死球を受けて骨折。2回戦以降は小池が4番を務め、決勝の光星学院(青森)戦は先制2ラン、右安打、右中間突破の二塁打と、三塁打が出ればサイクル安打の大活躍を見せ、藤浪の完投勝利を支えた。

 ◆福男

 兵庫・西宮市の西宮神社正門から本殿までの約200メートルを走って参拝し、到着順3位までがその年の「福男」と認定される。毎年1月10日朝に行われるが、「一番福」をめぐる争いは年を追うごとに激化。今年は、前もって抽選で先頭の場所を与えられた第1陣108人を含め、約5000人の参加者が走った。