中日のドラフト3位、友永翔太外野手(23=日本通運)が11日、大島に挑戦状をたたき付けた。「タイプが似ている」と自認する先輩にライバル宣言。背番号1を与えられた期待の即戦力は、昨季186安打の選手会長に真っ向勝負を挑む。この日はナゴヤ球場での新人合同自主トレ2日目。1人で黙々とティー打撃に取り組み、意識の高さをうかがわせた。

 1月11日。背番号1を授けられた友永が「1番」へのこだわりを宣言した。「やるからには常にトップを目指している。1番になりたいです。全部の項目においてアピールしたいので、総合1位を目指します」と言い切った。

 即戦力でプロに入った以上、最初の「1番」はレギュラー獲得にほかならない。層が厚い中日の外野陣。中でも最大の壁になるのが同じ巧打、俊足、好守のタイプの大島だ。

 「足があって、守備がうまくて…。僕と似てるタイプです。見て学ぶところ、吸収したいところはあるけど、切磋琢磨(せっさたくま)ではダメ。最初からぶつかっていきます」

 先輩だからといって遠慮するつもりもない。「グラウンドではある程度の距離を置くくらいのつもりで」の言葉が本気度を示す。昨季、球団タイ記録の186安打を放ち、ゴールデングラブ賞に28盗塁の選手会長。普通に考えれば安泰とされる状況でも、正面から牙城を崩しにかかる。

 「キャンプからフルスロットル。全開、全力でやっていく。それが当たり前。1打席目、1球目から振っていく面をアピールしたい」と鼻息を荒くした。

 自信があってこその発言だ。走攻守にハイレベルにあるが、「バットコントロールには自信がある。どこに当ててもヒットにするのを1つの売りにしてきた」と断言した。この日は室内で、1人でティーの上にボールを置き、スタンスを変えるなど意図を持って黙々と打ち続けた。

 「自分で何をやるか決めてから(練習に)来ている。誰かがやっているからやろう、ではないです。上位指名されて背番号1をもらった。責任感は持っています。やらなきゃいけない」。身長170センチはチームで最も低い。小粒な山椒(さんしょう)が、ピリリでは済まない刺激を中日にもたらすかもしれない。【柏原誠】

 ◆友永翔太(ともなが・しょうた)1991年(平3)4月1日、神奈川・秦野市出身。東海大相模では甲子園出場なし。国際武道大2年時に内野手から外野手に。ドラフト後の日本選手権バイタルネット戦で5安打4打点と活躍。年間打率4割1分8厘で昨季の社会人ベストナイン。170センチ、74キロ。右投げ左打ち。