<仙台6大学野球:東北福祉大1-0仙台大>◇第6節最終日◇19日◇東北福祉大野球場

 東北福祉大が2季ぶり63度目の優勝で、7年連続30度目の全日本大学野球選手権(6月10~16日、明治神宮野球場ほか)出場を決めた。タイブレークの延長10回、1-0で仙台大に連勝。昨秋王者・東北学院大との最終節を残し、2位以下を最終勝率で上回った。

 東北福祉大が昨秋失ったリーグ王座を奪還した。0-0で突入した1死満塁からのタイブレーク。攻守ともに“一発”でものにした。延長10回表の守りでは、この回から2番手で救援した花岡竜也(3年=岡山・作陽)が初球ストレートで4-6-3の併殺に仕留めた。その裏の攻撃では、先頭の3番永田恭一(4年=埼玉・花咲徳栄)の右犠飛でサヨナラ勝ちした。永田は「花岡が0点に抑えてくれたので気楽に打席に立てた。本当はホームランで決めたかった」と笑顔を見せた。

 先発の2年生左腕・高橋陽平(宮城・東陵)も9回を散発3安打に抑え、リーグ首位の4試合(計31回)、防御率0を継続させた。今季4勝目を逃した高橋は「おいしいところを持っていかれた」と苦笑。わずか1球で勝利投手になった花岡は「タイブレークは初めて。緊張しましたが、いい経験になりました。勝利したのはあいつです」と後輩の高橋をたたえた。

 右腕エース伊藤直輝主将(4年=新潟・日本文理)が体調不良で出遅れた今季、チーム一丸で昨秋優勝を逃した悔しさを晴らした。全日本大学選手権では節目の通算50勝目がかかる。初戦の相手は近大(関西学生)に決まった。初出場した83年(昭58)の初戦負けから過去1勝6敗と分が悪い。今春の練習試合も2-6で敗れている。伊藤主将は「先のことよりも、しっかりと全勝して東京に向かう準備をしたい」と昨秋、優勝を奪われた最終節の東北学院大戦を見据えた。【佐々木雄高】