昨年は2人の世界王者が誕生した。田中は関東と関西以外から久しぶりで、東海からは戸高以来だった。地方出身では福岡の越本以来王者が出ていなかった。一番はスパーリング相手もままならない状況がある。そんな中で「九州のタイソン」と呼ばれるハードパンチャーが期待されている。

 日本ウエルター級10位別府優樹(24=久留米櫛間)。25日にレッカー・オータナキット(タイ)との8回戦で、東京・後楽園ホールに再登場する。現在12年10月のプロデビューから11戦連続KO勝ちしている。12連続KOを果たすと、世界にも挑戦した赤井の日本歴代3位に並ぶ。

 別府は14年新人王西軍代表決定戦では右フックでダウンを奪い、さらに連打で1回TKO勝ちし、敢闘賞を獲得した。全日本では東日本技能賞のサウスポーと無敗対決も、初回に連打、2回に右フックでダウンを奪う。さらに連打で2回KO勝ちと強打で見事MVPに輝いた。今回はその時以来の聖地での試合だ。

 もともと格闘技好きで魔裟斗にあこがれた。母子家庭でジムに通えず、もっぱら筋トレで体を鍛える日々を過ごした。宮崎・都城東でボクシングを始めたが、部員が少なく週末は日章学園で練習。インターハイ3位となって専大に進学も、腰椎ヘルニアで1度は選手を断念した。

 中退して帰郷したが、リハビリが功を奏すとまたボクシングの血が騒いだ。12年に紹介されてジムに入門し、拓大OBの櫛間昭会長に鍛えられた。今でも暇な時はジムに通うという自称「筋肉バカ」。ぶっとい腕と分厚い胸板が強打を生み出す。

 デビューから連続KOは2位が丸山の13、1位が金井の14と新記録も見えてきた。さらに連続KOは世界王者になった浜田と渡部の15が日本記録。ここからは1人倒すたびに、強打の箔が上がっていく。東洋太平洋同級でも5位にランク入りしている。

 地方の星は「1回から全力で倒しにいく。勢いあるうちに、チャンスがあれば勝負したい」と話す。連続KO記録とともに、今年は王座挑戦にも照準を合わせている。当日は日本バンタム級王座に再挑戦を狙う同級7位高橋竜也(ヤマグチ土浦)と中川とん虎(角海老宝石)とのダブルメーンとなる。【河合香】