名古屋場所に加え、17カ所をまわる夏巡業を終えた力士たち。東京の所属部屋に帰るのは実に、2カ月ぶりになる。地方ではご当地グルメなどを堪能することもできる。だが、やはり慣れ親しんだ部屋は別格だ。
年3場所を過ごす場所だけあって、東京の部屋への思い入れは強い。ある部屋の若い衆は、「巡業から帰ってくると、やっぱりホッとする。知り合いとも会えるし、なんだかんだで東京の部屋はいい。帰ってきたという感じがする」と話した。関取衆の付け人ともなれば、巡業中の個人の時間はより制約される。故郷に帰ると癒やされるように、東京の部屋には精神的にも、安らげる場所としての役割がある。
一方で、宮城野部屋はドタバタ模様で落ち着く暇がなかった。夏場所後に耐震構造の問題が浮上し、部屋の土俵での稽古が禁止された。10日に新しい部屋の土俵開きが行われ、秋場所(13日初日、東京・両国国技館)中は、稽古のない若い衆は新部屋で寝泊まりするという。横綱白鵬(30)は普段、直前に出稽古して調整するが、今回は番付発表直後から出稽古での調整を強いられた。これまで35度の優勝は、本場所終盤にピークを持ってくる調整法も大きく関わっていたに違いない。今場所の白鵬の成績には、逆境を迎えた大横綱の真価が問われているという意味合いもある。【桑原亮】

