十両石浦(25=宮城野)がようやく初日を出した。春場所の昇進後、初めて初日に黒星を喫して4連敗。「いろいろ考えずに。結果はついてくる」と挽回を期した姿は、来日中の「弟子」オーストラリアのアマチュア力士、ムルラニー・フランチェスコさん(34)の目に焼きついたはずだ。

 2人は3年前、石浦が留学先のアデレードで相撲を教えていた時に出会った。「世界王者になりたい」と指導を仰いだフランチェスコさんに石浦は当初、「無理」と即答し、あえて厳しく接した。「わざときつい稽古をさせた。だけど、ついてきた」。その真剣な姿に感じるものがあった。角界入りを迷ったときに「俺も頑張ろう」と思った。「今の自分があるのも、あの人のおかげなんです」。

 フランチェスコさんはこのほど「強くなりたい」と来日し、石浦の父外喜義(ときよし)氏が総監督を務める鳥取城北高で稽古に励んでいる。先月22日の倉吉巡業の前日に再会を果たし「誇らしい。将勝(石浦)は私の先生」とうれしそうだった。来年まで滞在し、「世界王者になるのは無理なことではない」と言ってくれた師匠の背中を追う。【桑原亮】