WBC世界ライトフライ級7位の国重隆(32=大阪帝拳)が、6月14日にメキシコシティーで同級王者エドガル・ソーサ(メキシコ)に挑戦することが16日、発表された。勝てば32歳1カ月の王座獲得で、世界初挑戦の日本人最年長記録になる。日本人の海外挑戦は現在17連敗中だが、「海外で世界取るのって、ワクワクする」と意気込んだ。

 世界挑戦が決まったこの日は12年前に亡くなった妹和恵さん(享年17)の命日。亡くなる直前に手紙をもらった。「ボクシングを頑張れって。かわいい妹だった」。02年12月には父彰さん(享年56)も亡くした。全日本新人王決勝戦の前日だった。がんと向き合った父の闘病日記には震える手で「隆、大勝利」と書かれていた。国重は自宅の仏壇に手を合わせ、世界王者になる日を夢見てきた。

 ソーサは現在19連勝中で今回がV5戦。国重は天国の2人の思いを胸に「大勝利」を目指す。【大池和幸】