全日本の武藤敬司(46)と浜亮太(29)が「想定外のアクシデント」に出はなをくじかれた。17日、都内でチャンピオン・カーニバル(CC=4月5日開幕、東京・後楽園ホール)出場選手発表会見が行われたが、会見30分前の集合時間に2人の姿はなかった。武藤は2年ぶりVを狙う優勝候補で、浜はデビュー5カ月の史上最短出場。大会の顔ともいえる2人の主役不在に関係者は一時騒然となった。

 実は2人はトラブルの「連鎖」に巻き込まれていた。浜は午前11時30分ごろ、阿部リングアナウンサーの運転する車で神奈川県内の道場を出発したが、午後0時50分ごろに東京・西麻布の首都高速で後続車に追突された。その影響で高速道路は大渋滞に見舞われた。

 一方、何も知らずに午後1時ごろ神奈川県内の自宅を車で出発した武藤は、東名高速の東京インターチェンジ手前で「霞ケ関まで55分」の表示を確認。「これじゃあ間に合わねえ」と一般道に切り替えた。しかし、高速渋滞の影響でこちらも渋滞。怒りが頂点に達していた午後2時15分、携帯電話が鳴った。阿部アナからの事故の報告だった。

 「あいつの車のせいだったのかよ。ついてねえ」と武藤。結局、浜は後部がへこんだが車で、午後2時30分の集合時間に10分遅れて到着。武藤は20分遅刻したが、何とか会見には間に合った。武藤は代理人を務めるムタが14日に高山に敗れ3冠王座を失ったばかり。その因縁の高山とCCでは初戦で対戦する。その厳しい戦いを前に、思わぬ苦闘をしいられ「浜に足を引っ張られたよ」とぼやいた。【塩谷正人】