30日のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチの調印式と計量が29日に大阪市内で行われ、王者名城信男(27=六島)と同級1位ウーゴ・カサレス(31=メキシコ)が激しい舌戦を展開し、名城が挑戦者をにらみつける一幕もあった。

 会見後にツーショット撮影を求められた時だ。28日の予備検診では視線をそらした名城が、カサレスをにらみ返した。亀田ばりにやや上目遣いで「メンチ切り」。度重なる挑戦者の挑発が、温厚で知られる王者に火をつけた。

 場外バトルは「5回以内にKOする」というカサレスの宣言から始まった。

 名城

 1回から激しい試合になる。後半、10回くらいにKOしたい。

 カサレス

 きつい試合になるのはそっちの方だろ。パワーに経験。オレはすべての面でナシロより上だ。

 挑戦者はビッグマウスを連発。興奮のあまり、立ち上がって「リングには130ポンド(58・9キロ=スーパーフェザー級のリミット)で上がる。7キロも増える。だから5回以内で終わりだ」と、たった1日での激太り予告まで飛び出した。

 これに名城陣営の枝川会長が反撃。名城がリミットちょうどの52・1キロ、カサレスは51・7キロでパスした計量後に「プレゼントや。食べ過ぎんように気いつけや」と、490円で購入したという「太田胃散」を渡した。名城は「いろいろ言ってもらった方が、気持ちが盛り上がる」。自己最多のV2達成へ、テンションは最高潮だ。【大池和幸】