前WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(29=真正)とWBO3階級制覇王者でWBC同級王者フェルナンド・モンティエル(31=メキシコ)に年内再戦の可能性が浮上した。モンティエルのプロモーターを務めるフェルナンド・ベルトラン氏(40)が2日、東京・WOWOW辰巳放送センターでモズリー-メイウェザー戦をテレビ観戦後、「喜んで長谷川に機会を与える」と、再戦に前向きな考えを明かした。

 長谷川は、事実上の“統一戦”となる4月30日の11度目の防衛戦で、3回まで主導権を握りながらも4回終了間際にモンティエルの左フックからの猛攻を浴びてTKO負け。試合後、陣営は再戦を希望した。これについてベルトラン氏は「(両者は)力的にも等しい。結果的にはモンティエルがラッキーで勝ったので再戦させるべき」と、長谷川陣営の希望を受け入れたいとの意向を示した。

 長谷川は試合後の検査で右あごの骨折が判明し、連休明けにも手術を受ける予定。長期離脱の可能性もあるが、長谷川の試合をプロモートする帝拳ジムの本田会長は「複雑な骨折ではないし、秋には大丈夫じゃないか」。ベルトラン氏も「1度防衛戦をやって長谷川が用意できた時点で、状態次第で年内にも。場所はメキシコでも米国でも、日本でもどこでも」と年内再戦も示唆した。歴史に残る名勝負を繰り広げた両雄の物語は、第2章を迎えることになりそうだ。【浜本卓也】