WBC世界スーパーフライ級王者の佐藤洋太(28=協栄)が“影武者”による情報収集で初防衛への戦略を練る。陣営が7月8日に横浜文化体育館で行われる同級1位シルベスター・ロペス(フィリピン)戦を前に、同4日のロペスの公開練習に、東日本新人王バンタム級ベスト8進出の佐藤鋼太(20)をスパーリング相手に送ることが29日、分かった。

 既に来日、報道陣もシャットアウトで極秘裏に調整を続けるロペス。公開練習が唯一の情報収集の場となるため、新井史郎トレーナーは「鋼太をガチンコでやらせて、挑戦者の状態を確かめたい」という。鋼太は元スーパーフライ級で、体のサイズも洋太と同じ。腕を回して打ち込む「ぐるぐる佐藤パンチ」も得意で、まさに王者に成り代わって“前哨戦”に臨む。

 この日、都内の所属ジムで12回のスパーリングを行った王者は「ロペスはパンチ力がすごい。気を付けたい」と攻防のイメージを膨らませた。【山下健二郎】