◆石井慧のリオ五輪出場への道

 米国籍取得は永住権取得から最低でも1年はかかる。通常、国籍取得は永住権取得後、米国の滞在期間が最低5年は必要で、その審査期間も約1年かかるとみられるが、石井には五輪金メダリスト、11年全米体重別無差別級制覇という実績がある。米国柔道連盟の協力があれば最速コースの1年間で国籍取得できる可能性がある。13年中に国籍取得して代表になれば、米国代表の肩書だけでは五輪に出場できないため、14年以降、世界ランキング(五輪出場枠は男子上位22カ国)を上げるため、欧州のGPなどに出場。米国内の代表争いに加え、ポイントを稼いで、五輪出場枠の奪取も目指す。

 ◆国籍変更時の五輪出場

 国際オリンピック憲章では1国の五輪代表に選出後、取得の3年後までは新しい国の代表として五輪出場できない。ただし、その国の競技連盟と国際競技連盟との合意、および国際オリンピック連盟理事会の承認を得て短縮されることがあり、取り消されることもある。また各競技の国際連盟の規約もあり、例えば陸上は国籍取得後1年経過が前提で(1)1年間以上の居住実績(2)国際陸上連盟理事会の特例承認-などがある。卓球では15歳未満で国籍を変更した場合、3年間は五輪出場が認められない。