ボクシングのロンドン五輪男子ミドル級金メダルの村田諒太(27=三迫)が、プロ仕様のファイトスタイルを披露した。25日に東京・有明コロシアムで東洋太平洋同級王者・柴田明雄(31=ワタナベ)とのプロデビュー戦(73キロ級契約6回戦)を控えた14日、都内の帝拳ジムで4回のスパーリングを公開した。

 米ラスベガス合宿でもスパーリング相手だったキックの元WKBF世界同級王者ウェズ・カッパー(24=オーストラリア)が、最終調整のために来日。そのカッパーをロープ際に後退させ、左右のボディーを連打。ガードが下がると強烈な右がさく裂した。ガードを固められると局面を打開する鋭いアッパー。ミドル級の重く、鈍いパンチ音がジムに響いた。「前に出ることを意識した。すごく順調に仕上がっています」。揺るぎない自信を口にした。

 カッパーはキックでWKBF世界ミドル級王座を獲得し、既にボクシングでも同級で3勝2KO。そのホープは「アマからプロに転向する時は苦労するものだがムラタにはそういった苦労はない。プロ用の戦い方になっている」と強調した上で「パンチに腰は入っているし、スタンスも良い。無駄なパンチも打たない」と変貌ぶりを明かした。

 史上初となる東洋太平洋王者とのプロデビュー戦を控え、村田は「日本で一番強い人間に挑戦する。王者にはプライドがある。ボクもプライドがある。リアルな戦いを見せたいと思う」。世界で人気が高いミドル級で、鮮烈なプロデビューを飾るイメージを膨らませた。【藤中栄二】