ボクシングの前WBA世界ライトフライ級王者井岡一翔(25=井岡)が、世界最速の3階級制覇に向けて始動した。26日、大阪市内のジムで練習再開。7日に判定でプロ初黒星を喫したIBFフライ級挑戦から約3週間をへて「(敗戦を)面白い演出としてとらえている。ここから面白くなる」と言った。陣営は今秋にもノンタイトル戦を挟まず再起即世界戦を見据える。リマッチも含めて4団体すべてが標的だ。

 全勝での3階級制覇は逃したが、14勝(9KO)1敗の井岡には20戦目で3階級制覇を達成したジェフ・フェネック(オーストラリア)を上回る「世界最速3階級制覇王者」のチャンスが残る。「黒星はショックでしたよ。ただへこんでも一緒。もう1度王者になりたい。そうすれば3階級制覇もできる」。初黒星を演出と言った一翔の物語はこれからだ。【益田一弘】

 ◆ボクシングの最速3階級制覇

 井岡が次戦で達成すれば16戦目でフェネックの20戦目を上回る。フェネックは85年4月に7戦目でIBFバンタム、87年5月に16戦目でWBCスーパーバンタム、88年3月にWBCフェザー級を獲得。日本唯一の3階級制覇・亀田興毅は24勝(15KO)1敗。