前WBCフライ級王者で元2階級制覇王者の亀田興毅(23=亀田)が再起戦のKO勝利で雑音を封じ込める。23日、大阪市内でサントス(メキシコ)戦に向けて会見を行った。3月にポンサクレック(タイ)に同級王座を奪われて以来の再起戦で、負ければ初の2連敗となる。興毅は「いちばん重要な試合。負けたら2連敗やもんな。『もうアカンやろ』って声も出ると思う」と、連敗なら周囲から「引退」の2文字も出かねないと危機感を募らせた。

 そこまで自分自身を追い込むのは、日本ジム所属選手初の3階級制覇を目標に掲げているからにほかならない。6月5日に1階級上のスーパーフライ級転級を表明。アマ時代から約8年間フライ級を軸に戦ってきただけに、未知の領域だ。だが、敗北は絶対に許されない。勝つだけでも周囲が満足しないことは分かっている。興毅は「プレッシャーもあるよ」と本音も漏らした。

 それでも「再スタートをKOで飾ります」と堂々宣言し、ハードルを上げた。3階級制覇達成への期待を周囲に感じさせるような圧勝を、興毅は自分に課した。【浜本卓也】