大阪出身の大関豪栄道(28=境川)が、東前頭3枚目の高安(25)を押し倒しで下した。大関4場所目で、初の初日から2連勝。過去3場所は地位の重圧に苦しんできたが、地元の声援を味方に本来の攻撃相撲が戻ってきた。

 豪栄道が、見事なコンビネーションで高安を“KO”した。立ち合いで低く踏み込むと、左腕を手繰って体勢を崩し、最後は右からおっつけ気味に押し倒した。一方的に攻めて、大関昇進4場所目にして初の初日から2連勝。「良かったっす。この2日は、内容がいい」。過去4勝8敗と苦手だった相手を圧倒し、満足そうにうなずいた。

 格闘技好きの男が、楽しみにしている大イベントがある。ボクシングの無敗の5階級王者フロイド・メイウェザー(38=米国)と、6階級王者マニー・パッキャオ(36=フィリピン)が5月2日に初対戦する。ファイトマネーの合計が250億円を超えるともいわれる夢対決。普段は口数の少ない豪栄道も「ほんまの頂上決戦。すごいっすね」と目を輝かせる。

 WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志とも交流がある豪栄道は「メイウェザーが勝つ。パッキャオの力は落ちてる」と予想。一方、相手の高安は母ビビリタさんがフィリピン生まれで、昨年現地で初対面して記念撮影もしたパッキャオのファンだった。この日は、支持するボクサーが違う“前哨戦”。2人に懸けられた懸賞は11本で手取り62万3700円と、ボクシング夢対決の約4万分の1だったが、負けられない因縁の対決でもあった。

 大関昇進後の過去3場所は「勝たなあかん。いい相撲を取らなあかん」と考えるあまり、本来の相撲を見失った。だが、地元大阪に戻り、場所前の稽古から頭をつけて前みつを取る攻撃力が復活。目標に「自己新の13勝と優勝争い」を公言するほど自信もよみがえっている。連日大声援を浴びる大阪では12年12勝、13年10勝、14年12勝と実績も抜群だ。「体は動いている。まだ、2日目なので。また明日です」。気力をみなぎらせ、ご当所を盛り上げる。【木村有三】

 ◆メイウェザー対パッキャオ 5月2日に対戦すると先月発表され、会場は米ラスベガスが有力。メイウェザーの武器は「芸術」といわれるディフェンス力。相手に決定打を許さない高い技術で、全17階級を通し最強とされる。パッキャオは、鋭い踏み込みを原点とした攻撃力で、史上2人目の6階級制覇を達成。アジアの軽量級から、世界的スターとなった。08年から対戦のうわさが浮上しては立ち消えになっていた。