小結宝富士(28=伊勢ケ浜)が大関を破って、新小結初勝利を挙げた。けんか四つの豪栄道と差し手争いから、土俵際に追い詰められた。左から突き落としも軍配は豪栄道に上がった。物言いがついて協議の結果、行司差し違えで初日を出した。

 審判長は師匠伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)で「豪栄道の手が先についた」と説明した。「取り直しかと思った」という宝富士は花道のビデオで確認。「親方がいたから勝ったと言われるのは嫌だった。足がついていなくてよかった」と笑みを見せた。

 この日は後援会長に場所へ送ってもらった。その場所入り前に、携帯電話で兄弟子日馬富士の休場を知った。「2人にいい報告ができる。横綱の分も頑張りたい」。

 初日は白鵬にも善戦した。「まだ横綱戦も残っている。いい相撲でなく勝ちたい」と、次なる標的は初場所初金星の鶴竜だ。