関脇栃煌山(28=春日野)が大関琴奨菊(31)をはたき込みで破り、初日から4連勝を飾った。改良した仕切りからの低い立ち合いで、大関の圧力を打ち消した。無傷の4連勝は、優勝決定戦に行った12年夏場所以来3年ぶりで、三役では19場所目で初めて。今日5日目に、同じく無敗の新大関照ノ富士(23)に挑む。
お決まりのしぐさが、変わった。腰を下ろして、膝をリズム良く動かす。軽く反動をつけて前ににじり寄る。栃煌山の仕切り。そこまでは先場所と変わらない。だが、1度の反動だけで動きを止めた。前傾姿勢を保ったまま、動かない。低く、鋭い踏み込みで、立ち合いにすべてを懸ける琴奨菊の圧力に負けなかった。
「低さはあったので押されなかった。(自分が)もっと押そうとしたが、相手がガクッときたので」。タイミング良いはたき込みは、立ち合い勝ちから生まれた。三役で自身初の無傷4連勝。しかも、2大関を倒して。「前半は弱いんですけどね」と照れ笑いした。
以前は、にじり寄りが3回あった。形が決まるまで時間をかけすぎていた。部屋付きの岩友親方(元前頭木村山)は「仕切りを完璧にしようとしすぎて、そこに頭をとらわれていた」。
昨年の名古屋場所で左肩を脱臼し、4年前から始めた加圧トレーニングを週3回に増やした。体が張り、場所前に体重は164・4キロへ。6キロも増えた。「まわしが苦しい」その腹も、新しいスタイルを欲していた。そこで、肩の力を抜く今の形に。3年も貫く仕切りを変えるのは怖かった。だが、大関候補と呼ばれながら、年下の照ノ富士に抜かれた悔しさが上回った。
地元高知には「はちきん」という言葉がある。男勝りで働き者の女性を指す。対して、男性は怠け者だとされる県民性について「確かにうちの母もはちきんで、昼から飲んでるおっちゃんらも」。認めつつ、それでも一言。「男も働いてますよ」。5日目は照ノ富士戦。働き者の男を、ここで見せたい。【今村健人】

