日本相撲協会の北の湖理事長の死去から一夜明けた21日、九州場所が開かれている福岡市の福岡国際センターでは弔意を表す半旗が掲げられ、詰めかけた相撲ファンらは「昭和の大横綱」の急逝を悼んだ。

 「最後のお別れを言いに来た」。昨日までセンターで観戦していた熊本県甲佐町の主婦渡辺八重子さん(81)は、帰宅の予定を変更して会場に立ち寄ったという。「現役時代は憎たらしいくらい強かったのに、病気には勝てなかったのだろうか」と声を落とした。

 山口県防府市の団体職員道永真一さん(49)は「小学生のころからテレビで見ていたが、本当に強い横綱だった。会場で姿を拝見できるのではないかと楽しみにしていたのに」と惜しんだ。

 東京都の会社員大沢安弘さん(62)は「現役時代はとにかく強く、理事長になってからは相撲ファンを増やそうと尽力した。同世代として誇らしく思う」としのんだ。