東十両筆頭大砂嵐(24=大嶽)が12勝目を挙げ、2日残して十両優勝を決めた。

 西2枚目錦木(25=伊勢ノ海)が4敗目を喫し、勝てば優勝が決定する状況に。それでも「全然関係ない。自分の相撲を取ろうとだけ考えていた」と、立ち合いで千代の国を起こしてタイミングよくはたき込み。「絶対勝つ(という)気持ちしかなかった」と振り返った。

 昨年九州場所を途中休場し、左膝の内視鏡手術などを受けたため初場所は全休。「たまに力が入らないときもある。気にしてます」と万全ではないが、負けられない理由が2つあった。

 1つは部屋のこと。「大嶽部屋には幕内の(力士がいる)イメージがある。でも十両になって、部屋のイメージが悪くなってしまった。悔しかった」と、看板力士としてのプライドが体を突き動かした。

 もう1つは、家族の存在だ。母国エジプトから応援する父アラディーンさんが、1カ月前に交通事故に遭い入院中。「普段は場所中は連絡しないんだけど」と、母マグダさんに取組の動画などを送り、病床の父にエールを届けた。

 最高の形で親孝行も果たしたが「まだ場所は終わっていないから。1番1番、力を出し切って」と、気を抜くそぶりはない。夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)では幕内復帰も決まったが「1番、1番」と繰り返し、笑顔で帰路に就いた。