「低空の魔術師」が「湘南の重戦車」を手玉に取った。西十両13枚目の宇良(23=木瀬)が、神奈川県・平塚市出身で東十両11枚目の朝弁慶(28=高砂)を肩透かしで破り、4勝2敗とした。

 190センチ、187キロの大きな相手に対し、173センチ、127キロの宇良が、いつものように低く立ち合い、低い体勢のまま左を差した。そこから左腕を抜くようにして肩透かしを決めた。

 初対戦を前に、朝弁慶の研究もしていた。昨年九州場所、自身と同じ小兵の石浦と対決した動画を前日にチェック。「石浦さんが小手投げで1回転して負けていた。それは危ない。ちょっと失敗したら、ケガをしてしまうと思った」と、相手のパワーを警戒。「怖かったです」と言うが、巧みな動きで勝利をつかんだ。

 「技のつなぎが、うまくいったと思います」と納得。この日は、母校関学大の化粧まわしを初めてつけて土俵入り。「関学の関取、力士として初めてつけられたのはうれしい。部員が増えてくれたら、うれしいんですけど」と、最後は部員減少に悩む母校を思いやっていた。