2横綱が敗れ、綱とりを目指す大関稀勢の里(30=田子ノ浦)と弟弟子の小結高安(26)がトップ並走という思わぬ展開にも、協会トップは冷静に今後を見通した。

 大関同士の一番で、腰の重い照ノ富士(24=伊勢ケ浜)をジックリ料理した稀勢の里の相撲を、八角理事長(53=元横綱北勝海)は「相手の下手投げも十分、頭に(警戒として)あったと思う。おっつけから差す(得意の)形もいい。落ち着いていたように見えたね」と、時間をかけて慎重に下した給金直しの一番を分析した。

 その直後には白鵬(31=宮城野)、結びでは日馬富士(32=伊勢ケ浜)と、いずれも1敗で並んでいた両横綱が相次いで金星配給という波乱の土俵。これで稀勢の里に追い風が吹いたと思われるが「(この展開を)稀勢の里は想像できなかっただろうが、落ち着くこと。両横綱とも当たるし、まだまだ。稀勢の里も追い風が吹いたとは思ってないだろう。どっちが有利とかもない」と冷静な目で今後を見通していた。