新横綱は何事においても全力投球なんです! 初場所後、横綱に昇進した稀勢の里(30=田子ノ浦)が今日5日、東京・両国国技館での横綱デビューを果たす。同所で開催される「大相撲トーナメント」の土俵で横綱として初めての取組、横綱土俵入りを披露する。

 横綱昇進後、先月27日に明治神宮で奉納土俵入りを披露し、同28日には荒磯親方の断髪式に出席するため“聖地”を訪れた。ただし本場所が開催される土俵に足を踏み入れるのは今日が初めて。4日、軽めの調整で汗を流した稀勢の里は、番付の昇降に左右されない花相撲であっても「大事にしたい。あれがきっかけになったし」と話した。

 “あれ”とは、やはりトーナメントで争われた昨年10月3日の全日本力士選士権のこと。花相撲ながら稀勢の里は初優勝した。「国技館の土俵での優勝だったし、勝ち癖をつける意味でもきっかけになった」。初場所の初優勝と横綱昇進の分岐点になったようだ。だから一切の手抜きは無用。土俵入りについても「明治神宮では所作を間違えたけどイメトレはしている。やればやるほどね」と数を重ねることで「稀勢の里流雲竜型」を完成させる腹積もりだ。愚直なまでの一本気な姿勢で、横綱道を突き進む。【渡辺佳彦】