友綱部屋の歴史をひもとけば、江戸時代の1781年(天明元)に名関脇と呼ばれた初代が興した名門。明治から大正にかけては第22代横綱太刀山を擁し、魁皇ら3大関も輩出した。現親方が11代目にあたる。

 その歴史を、40歳まで関取を続け、史上1位の幕内出場1470回を誇る大島親方が受け継ぐ。92年春場所で元小結旭鷲山らとともにモンゴル出身初の力士として初土俵を踏んでから25年。05年6月に日本国籍を取得してから12年。「日本に25年もいて、気持ちも体も日本人。自分は日本人だと思っている。モンゴルから最初の力士になり、親方になったのも最初。これからの人たちに道をつくれるように頑張りたい」。

 角界に「初づくし」の歴史を築いてきたレジェンドが、新たな歴史をつくる。

 ◆大島勝(おおしま・まさる)本名・太田勝(旧名=ニャムジャブ・ツェベクニャム)。1974年9月13日、モンゴル・ナライハ市生まれ。92年春場所で大島部屋で初土俵。96年春に新十両、98年初に新入幕。05年6月に日本国籍取得。12年4月に大島親方の定年で友綱部屋に転属。直後の12年夏に昭和以降最年長の37歳8カ月で優勝。最高位は関脇(3場所)。15年名古屋限りで引退し年寄「大島」襲名。通算927勝944敗22休。家族は夫人と1男2女。