覚せい剤取締法違反で実刑判決を受け、昨年7月に出所したタレント田代まさし(58)が18日、都内でトークライブを開いた。イベント前の会見では「たくさんの方を傷つけてしまった」と頭を下げた。過去5回逮捕(うち3回が覚せい剤事件)。時折、舌がもつれたが「薬を使った方が滑舌が良くなるし、手の震えも止まる」と、現在は使用していないと主張した。

 出所して即日、都内の薬物依存者回復支援施設「ダルク」の寮に入り、現在は都内の自宅から電車で通いスタッフとして働いている。「プログラムを受け、スタッフとして回復の道を進んでいる」。電話応対などをこなし、週末は全国で講演を行っている。

 昨年9月ごろには、同年5月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、有罪判決を受けた歌手ASKA(57)と千葉県内のダルクで会った。「僕がASKAさんに一番近いところにいると思う。僕なりのメッセージを届けた。『過去は変えられないけど、生き方を変えられる』と」。ASKAはうなずいていたといい「また彼が危なくなったときに助けたい」と支援を表明した。

 各地のダルクを統括する日本ダルクの近藤恒夫代表が「自分の後の代表を任せたい」と言うと、田代は「自分のためにも薬にはまった仲間を助けたい。将来は芸能人専用のダルクを作りたい」と宣言。ただ、芸能活動復帰には「復帰したい気持ちはない。前は早く戻って安心させたいと思った。でも今は、やめ続けている姿を見せることが将来、何かにつながれば」と話した。【小谷野俊哉】

<田代まさしの事件>

 ▼00年10月 都内の駅構内で女性の下着を盗撮したとして都迷惑防止条例違反容疑で書類送検。芸能活動を休止、同12月東京簡易裁判所から罰金5万円の略式命令。

 ▼01年12月 民家の浴室をのぞいたとして軽犯罪法違反容疑で逮捕。自宅から覚せい剤が発見され再逮捕。02年2月に懲役2年、執行猶予3年の判決。

 ▼04年6月 車を運転してオートバイと衝突し、運転の男性が左太もも骨折。

 ▼同9月 東京・中野区路上で、バタフライナイフと覚せい剤を所持していたとして現行犯逮捕。05年2月に懲役3年6月の実刑判決。08年6月出所。

 ▼10年9月 横浜市内で、コカインを所持していたとして麻薬取締法違反容疑で交際中の女性と現行犯逮捕。11年7月に懲役3年6月の実刑判決。14年7月出所。