経営難で昨年2月に閉鎖された東海地方唯一の常設寄席「大須演芸場」(名古屋市中区)が22日、新しい運営体制で営業を再開した。こけら落とし公演には東西の大御所落語家が駆け付け、再スタートを盛大に祝った。

 新装再開の口上では、落語協会(東京)の会長の柳亭市馬が「皆さまの力でいい芸人を育ててほしい」、上方落語協会(大阪)の会長の桂文枝が「名古屋に大須演芸場ありと言われるよう、末永く盛り上げてください」とあいさつ。大入りの客席から盛大な拍手が上がった。

 駆け出し時代に舞台に上がった明石家さんまも「大須演芸場に育ててもらったと言っても過言ではない」とビデオでお祝いの言葉を寄せた。

 桂ざこばや林家木久扇らが高座に上がり、大入りの客席は笑いに包まれた。閉鎖前にもよく足を運んでいたという横井艶子さん(77)は「表情や細やかな所作が伝わるので、やっぱり生がいい」と話した。

 こけら落とし公演の前には、春風亭昇太らがお膝元の大須商店街を練り歩き、買い物客らから「頑張って」などと声を掛けられた。再開記念の特別公演は30日まで。