歌手、女優の中尾ミエ(69)が26日、大阪・サンケイホールブリーゼの会議室で、主演ミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ」(10月20、21日)取材会を開き、かつて共演した故川島なお美さんに触れ「最後の最後まで現役、私もそういう生き方をしたい」と語った。

 中尾は、故山城新伍さんが司会を務めた往年のフジ系人気バラエティー「アイ・アイゲーム」(79年10月~85年9月)に、パネリストとしてレギュラー出演。番組当初、川島さんはアシスタントとして参加していた。

 中尾は、当時について「まだあのころは、お嬢さんという感じで、学生だったかしら? まさかその後、女優さんになるとは思わなかった」。初々しかった10代の川島さんを思い起こした。

 病をおして舞台に立ち、降板から1週間で亡くなった川島さんには「最後の最後まで、自分が世の中に必要とされているって理想だし、最後の最後まで仕事ができて、私はいい人生だったと思う。私もそういう生き方をしたいと思うし、最後の最後まで現役でいたい」と語った。

 現役のまま亡くなった川島さんを思い「私は亡くなった方には、すべて幸せな人生だったと言ってあげたい。だから、川島さんにも幸せな人生だったわねと(言いたい)」とも話した。

 一方で「人の命はいつどうなるか分からない。誰だっていつ(事故に巻き込まれるなどし)命を落とすか分からない。今日までの人生は最高だったと思いながら、生きている。生きるってそういうこと。生きているかぎり、どうであってもやり残したことは出てくるもの」と、独自の死生観にも触れた。

 今回の舞台「ザ・デイサービス・ショウ」では、劇中で尾藤イサオ(71)正司花江(79)らでバンドを組む。デイサービス施設を舞台に、高齢者が“生きる楽しみ”を見つけていく様子を描く。

 中尾は「私としては地方もたくさん回りたいけど、みんなトシだし、いつ何があるか分からない。毎回、これが最後…の気持ちでやっていると、本当に楽しい。芸能界に入って、初めてこんなワクワクする感じを味わっている」と言い、半世紀を超えるキャリアでも、かつてない“緊張”を楽しんでいるという。