五輪やプロ野球などのスポーツ実況で活躍した元NHKアナウンサーで、スポーツアナリストの西田善夫(にしだ・よしお)さんが27日午後3時10分、心不全のため東京都北区の病院で死去した。80歳。東京都出身。1958年(昭33)にNHK入局。64年東京五輪をはじめ、夏冬合わせて10回の五輪実況を担当した。

 76年モントリオール五輪のバレーボール女子では、日本がソ連(現ロシア)を下し、金メダルを獲得した決勝を実況。80年レークプラシッド五輪では、アイスホッケー決勝で米国が王者ソ連を破り、「ミラクル・オン・アイス」と呼ばれた歴史的一戦を伝えた。

 プロ野球や高校野球の実況放送も担当し、初の米大リーグの実況も任せられた。その後はスポーツ番組のキャスターとしても活躍した。スポーツアナでは初めてNHK解説委員を兼務し、98年に新設された横浜国際総合競技場の初代場長に就任した。02年の退任後は、スポーツ評論家として活動していた。

 左足を痛めた影響で最近3~4年は自由に動けず、体力が弱ったこともあり、仕事は控えていたという。葬儀は3月2日午前11時から東京都北区上中里1の1の12、日本基督教団滝野川教会で。喪主は長男で雑誌「ブルータス」編集長の善太(ぜんた)氏。