俳優寺脇康文(54)が11日、大阪市内で、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(8月20~22日、大阪・梅田芸術劇場)の取材会を開き、舞台からも日常からも感じる「女の強さ」を語った。

 「物語でも、実際でもそうですけど、男は『ダメだ』と思ったらもうダメ。でも、女は最後の余力がある。最後の1ムチで『もうちょっと』がやれる」

 同作は、56年のニューヨーク初演から60年。ロンドンの下町に育った娘が、教授の指導を受けて貴婦人へ成長していく物語。64年にはオードリー・ヘプバーン主演で映画化もされ、世界で再演が重ねられてきた名作だ。

 寺脇は日本初演50周年だった13年にも、同作で教授を演じており、今回も前回と同じく宝塚OGの霧矢大夢(きりや・ひろむ)、真飛聖(まとぶ・せい)のWキャストを相手に教授役で出演する。

 「皆それぞれが『ちょっと上のクラスにいきたい』って気持ちは誰にでもある。初演から60年、しかもイギリスの話でも、そこは変わらないんですよね」

 色あせることのない名作ならではの“新鮮み”を感じ、今回も舞台に立つ。役者としての力量はもちろん、伸びやかな歌声にも定評はあるが、もともと歌には苦手意識があったという。

 「でも、前回あたりかな。ミュージカルの歌も、うまく歌おうとするんじゃなくて、セリフを言うようにすればいいって思って、すごく気が楽になった。自分で『せっかく舞台に出てるのに、歌が苦手って思うのはもったいない』って感じて、ふと! そう思えたんですよね」

 「女の強さ」に触発されたのか、自らも舞台を通じて、苦手を克服した。また、衰えを知らない肉体維持にも、工夫があった。

 「ジムとかで、マシン相手にウンウン(筋トレを)やってたり、走ってたりすると、オレ何やってんだろ? って思って、続かないんですよね」と言い、アウトドアに楽しみを見つけた。毎朝、余裕がある日は、30分の半身浴とストレッチを終えて、外出。1時間のウオーキング後に筋トレをし、30分のランニングを続けている。

 「筋トレは公園の岩場とかで腕立てしたり。ロッキー方式ですね」と笑う。歩く、走るだけではつまらないため「家の表札見ながら、ダジャレを考えて。いいのを思いついたら、自分でも笑えてくるし。楽しいんですよね」。ダジャレ好きな寺脇は、トレーニング中にダジャレを考えながら、体を動かすという。

 「運動が苦手な人も、そこに何か、楽しみを見つけてやってみたらいい」と話していた。