宝塚歌劇の宙組公演「エリザベート」が22日、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎え、初演から20年で通算900回公演を達成した。

 「黄泉(よみ)の帝王」こと、死に神に魅入られた皇后エリザベートの数奇な運命を描いたミュージカルは、96年に一路真輝が主演した宝塚歌劇雪組公演で日本初演。劇団では今回が9回目の上演で、宙組トップ朝夏(あさか)まなとが9代目トートを演じる。

 朝夏トートはオリジナル色を出そうと、これまでの“銀髪”から「赤と青を混ぜた」濃い紫の髪色に。紫は宙組カラーでもあり、衣装も赤系の茶色や斬新なファッションで、新世代トートを提示する。

 朝夏は「あえて意識せずに、周りにとけ込むようなトートに」とけいこを重ね、歌い方も「自然」「ナチュラル」を意識して、これまでと発声法も変えた。

 タイトルロールのエリザベートを演じたトップ娘役、実咲凜音(みさき・りおん)も、何度もトート(死)の求めをはね返すエリザベートのエネルギーを表現すべく「彼女の強さを一番大切にしたい」と言い、ヒロインを演じている。

 宝塚大劇場公演は8月22日まで、東京宝塚劇場は9月9日からスタート。東京公演中に、通算1000公演を迎える。