宝塚歌劇団理事で専科スターの轟悠(とどろき・ゆう)が31日、大阪市北区のホテル阪急インターナショナルで、第6回個展「心の旅」を開き、取材会を開き、自らの絵を「分身です」と表現した。

 「できの悪い子もいれば、いい子もいますけど、絵は分身でしょうかね」

 10年9月以来、6年ぶりの個展は40点を展示。うち22点が新作、ほかには亡き母の作品を轟がリメークした作品もある。轟は10歳で母とともに絵を描き始め、今回は“親子展”でもある。

 「宝塚歌劇も100周年を終え、歴史、重みをあらためて感じる中で、自分の中で何かが変わったのかもしれません」と言い、今回は油彩画にくぎや糸、パスタや卵の殻など食材から、和紙も使って、表現することに挑戦した。

 劇団も今年102年、新世紀に入っても、「ルパン三世」「るろうに剣心」など、著名漫画を原作にミュージカル化するなど、新たな挑戦を続けており、轟は「ほどよく進化を遂げていると思います。もともと宝塚は挑戦の連続でした。植田(紳爾)先生が、自分のクビを覚悟で『ベルサイユのばら』をやられ、今では何十年続き、外伝までも。本物は残るのかな、と。先見の明をもった宝塚歌劇であり続けると思う」と話した。

 一方で、雪組トップを経て専科へ、理事職にも就きながら、各組公演へ出演する自身には「私ですか? 私はその(100周年の歴史)中の点です」と笑わせた。

 今回の展示作はモンサンミッシェルと富士山がテーマ。富士山は「登りたいとは思わない。眺めるのがいいと」と言うが、今年から山の日に制定された8月11日は自身の誕生日でもあり、縁を感じている様子。また、今後は、故郷にある地震で被害を受けた熊本城を描きたいという。

 「子供のころはよく石垣は描いてたんですが、本震であのような姿になって、心を痛めております。熊本城が修復されたら、描きたい。熊本城は黒と白、武者返しも、すごく好きなお城なんですよね」と話していた。

 個展は8月1日まで。