【香港5日=松本久】男性3人組ユニットw-inds.が、デビュー15周年記念の全国ツアー最終公演を同地で行った。在香港日本国総領事館が主催する「日本秋祭」のメインイベントとして、ファン約3000人の歓声を一身に受けたボーカル橘慶太(30)は「ダイガーハオ!(大家好=こんにちは)」とすっかりなじんだ広東語であいさつ。07年の初公演から10年という節目の単独公演はオープニングから最高潮の盛り上がりを見せた。

 01年のデビュー直後からアジア全域で注目された。R&Bやヒップホップなど高い音楽性に加え、甘いルックスと巧みなダンスで人気を呼び、03年には台湾のテレビでレギュラー番組を持った。人気は中国や香港、韓国にも広がり、多くの音楽賞も受賞。デビュー15年の今も輝きは増すばかりだ。慶太は「同じことをずっとやっていてはだめ。それでは自分が腐っていく気がする。常に新しいことを求めて全力で取り組んできた」と成長を口にした。リーダー千葉涼平(31)は「夢を言葉にすればかなうというけど、いつも前を向いてきた」と振り返り、ラップ緒方龍一(30)も「毎年のようにアジアでライブをしてきた。国境を超えて日本とアジアをつなぐ役目に少しはなってきたのかな」と胸を張った。「誇らしく思う」と慶太も続いた。

 前日4日、香港国際空港に到着したのは午後11時。深夜にもかかわらず、約300人の熱心なファンが応援ボードなどを手に熱烈歓迎した。慶太は「アジアではK-POPがブームだけど、日本にもすばらしいアーティストがたくさんいる。自分たちが日本代表として頑張っていきたい」。15年の実績を誇る“日本の顔”として、w-inds.旋風をこれからもアジアで吹かせ続ける覚悟だ。

 ◆w-inds.とアジア 04年の台湾公演を皮切りに現在まで台湾7回、上海2回、香港7回の単独公演を行った。07年に「香港返還10周年記念ライブ」に日本のアーティストとして唯一参加。08年に中国・胡錦濤国家主席来日時に首相官邸で歌唱、13年に国内で行われた日本とASEAN首脳夕食会でライブ。台湾で日本人初の4作連続アルバムランキング1位。「IFPI香港ベストセールス大賞(日韓部門)」は日本人最多のアルバム13作連続で受賞。15年「チャイナ・ミュージック・アワード」で、「アジアで最も影響力のある邦人アーティスト」を受賞。同年にアジアでの日本音楽普及の功績が認められ香港総領事から「在外公館長表彰」を授与された。