昨年3月に亡くなった桂米朝さん(享年89)をしのぶ「特別展 人間国宝 桂米朝と その時代」が来年1月28日から3月20日まで、兵庫県姫路市の兵庫県立歴史博物館で開催される。6日、米朝さんの名誉市民墓が、同市内の名古山霊苑で公開され、席上で発表された。

 長男で落語家の桂米団治(57)によると「これまで世に出ていなかった物も展示されると思います」。米朝さんの死去後、尼崎市内の自宅にある貴重な音源、資料の整理を進めているが、現在はまだ「8割程度」といい、その秘蔵資料からの公開もあるという。

 また、今年1月に亡くなった米朝さんの盟友で、上方四天王の1人、故桂春団治さん(享年85)の自宅からも、春団治さんが持ちネタ「親子茶屋」のけいこを米朝さんにつけてもらった際に記したけいこの記録が見つかったといい、これを展示する可能性もあるという。

 完璧主義者で、持ちネタの数よりも質にこだわり磨き上げた春団治さんと、落語への知識、博識ぶりから盟友の間でも一目置かれていた米朝さんの人柄や、信頼関係がしのばれるような記録でもある。

 また、米団治は以前、将来的には尼崎の米朝さん宅を資料館のような形で、一般開放する計画を明かしていたが、これについては「まだ整理が完全に進んではいないですが、いずれは…。僕の還暦、2年後ぐらいをメドにしたい」と話した。