漫画家の江川達也氏が7日、「週刊少年ジャンプ」連載作品のお色気表現に対する批判に対し、厳しい口調で私見を述べた。

 3日に発売された漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」2017年31号に掲載された作品「ゆらぎ荘の幽奈さん」が物議を醸している。同作品はいわゆる「ラブコメ」だが、同号掲載の巻頭カラーでは、描かれた大半の女性キャラクターの水着がはだけるという描写がなされていた。

 これを見た弁護士の太田啓子氏が4日、ツイッターで「息子には少年ジャンプは読ませない。息子をもつ保護者の皆さん。少年ジャンプ編集部に抗議を。どうかと思うよ」と、ジャンプ編集部に対する抗議を呼びかけた。これに対しネット上では多くの賛同と、「少年誌にお色気シーンがあるのは昔から」「それを言い出したらドラゴンボールもワンピースも取り締まらないといけなくなる」といった批判の声が上がり、賛否両論が巻き起こっていた。

 アニメ化もされた人気漫画「まじかる☆タルるートくん」を同誌で連載していた江川氏は7日、一連のお色気描写批判について「無能で努力もしない人が文句言って文化を破壊しようとする姿は、過去からよく見かけるが、醜いものだ」とフェイスブックにつづった。

 江川氏は「自分もクソな漫画やアニメで、子供には悪い影響しか与えないモノはたくさんあると思う」と悪影響を与える作品もあると認めた上で、「そういうものは見るな!とは言わないし、そういうものは、作るな!とは言わない」と作品に圧力をかける行為を真っ向から否定する。そして「ただ、あれは教育上よくない!とだけ言っておく。それだけだ」と読む側、読ませる側に選択の自由があり、選択の問題であることを強調した。

 さらに江川氏は、「賢い教育者は、評価をして、自由に読ませ、考えさせる。禁止する者は、子供の能力を低く見ている」「大事なことは、子供に自分で考えさせることだ」と持論を展開した。