27日に初期の食道がんの手術を受けた歌舞伎俳優中村勘三郎(57)は約11時間の大手術だったことが30日、分かった。この日、義弟の中村橋之助(46)が「松竹大歌舞伎」(11月1~25日、全国18都市)会見後に明かした。「朝10時に病室を出て、戻ったのは夜10時すぎ。直後に(おいの)七之助と電話で話したら『いたって元気で、すぐしゃべった』と言っていた」。

 翌28日に勘三郎夫人の姉好江さんから電話があり「集中治療室で20メートルを歩いたそうです。その時に大きな拍手がわき、周りの人は何やってるんだろうと思ったでしょうね」。24日のゴルフ壮行会で勘三郎は準優勝しており、橋之助も「ひと安心だけど、ちょっとぐらい病人らしくなればいいのに」と苦笑いした。勘三郎は手術前に抗がん剤治療を受けたが、体重は前より増えたという。

 関係者によると、勘三郎は、来年2月の博多座で長男勘九郎の襲名披露公演か、春の歌舞伎座こけら落としでの復帰を目指している。